これは私の勝手な想像だが
楽天の辰己選手
おそらく、小さいころ相当親御さんは厳しく育てたのではないか…
その反動が今のあの彼の態度のような気がする
アドラー心理学的に基づく問題行動5段階でいうと、4段階にあたる「復讐」
親と野球への復讐だろうか…
彼もつらかったのだろうと思う 本気で気の毒に思う
フツーにしてたらあんなことになるわけがない
今、少年野球の世界にたずさわって強く思う
子供の課題に土足で入り込んで、いろいろとああだ、こうだと御託を並べて教えたつもりになっている親御さんを見て特に思う
「野球バカならまだマシだと思う 本人の意思でそうなっているから 本人が責任をとればいい 野球ロボットがマズい 作られたものだから その製造者は親のアンタだ」 と
私が卒業した中学は、調べたわけではないが
富山県ではおそらくいちばん県大会優勝回数・全国大会出場回数が多いのではないかと思われる
県内トップの強豪中学軟式野球チームである
私がいたころは今ほどではないが、県大会で決勝まで進むことが時々あるようなチームではあった
私がプロを引退して富山に帰ってきて、何年も経たないころ
当時の知人から、よくわからん関西から来たトレーナーの野球教室があるから来い。と言われ、いったことがある
「しょうもないわぁ・・・」と思いながら見ていた
そのときいた選手
私の母校野球部の後輩 エース投手
「こんなのが、氷見にいるのか…」
「こういうやつが、プロにいくんだろうな かわいそうに…」
※プロの世界の恐ろしさが記憶に新しい時期だったので「プロに行くなんて、かわいそうに…」と思っていた
とキャッチボールを2、3球見ただけでそう思わせる選手だった
関係者の話を聞くと、小学生のころから「野球の神童」と呼ばれていたそうだ
が… 本人と会話して、その後彼のお父さんと話して
私のその最初の思いはソッコーで消えた
親は「うちの子は、近畿方面の高校へ進学しか考えていない 高岡商業?? そんな三流校はあり得ない」 三流校… まぁそんなもんだな…笑
だが、進路は親が決める家なのか…と この課題に親が土足で上がり込んでいるな…と
だが、子はまるでやる気がない まず、人の話を聞く耳がない様子だった
私は彼に何かを教えたわけではなかった
その関西の怪しげなトレーナーからの指導だが、話ぶりはそこまで怪しさはフツーに見ていた感じない
でも、あそこまで人の話を聞くことを拒絶する態度をとる中学生もなかなかいない
聞く気がないというか、人の話を聞く力がないのだろう
今思えば、身体能力が高く、ボールを投げるという才能がずば抜けたものをもっていたが
どこか「生きづらさ」を抱えていた子だったのだろう 人と関わるのが苦手そうな子だった
もっと違う、適切な接し方があったんだろうと思う
世間知らずでアホな周囲の大人や先生らは逆にそういう彼の態度を「あいつはプロ向きだ」などといっていた たぶん、お父さんもその気でいたと思う
彼は近畿方面ではないが、県外野球強豪校へ進学した
私も興味をもって追っかけていたわけではないが、試合で投げているのは新聞記事などで知っていた
甲子園は出なかった 高校卒業後の進路は知らない
後々聞いたが、彼のお父さんは高校は高岡商業で野球部に入ったが、練習の厳しさと上級生の暴力に耐えきれずに1年の夏休みに野球をやめたそうだ 野球界や高校野球に対し、ルサンチマンのような思いを持っていたのだろう
そのころ、私は氷見市内に小学生の野球クラブチームを作ろうとしたことがあった
このお父さんを中心に全力で私の活動を阻止してきた すさまじい勢いで私の活動を潰しにかかってきたことを今でも覚えている
結局、このときは私は何もできずにあきらめた
5年ほど前に彼が出た高校の野球部の顧問の先生兼コーチの方と話す機会があった
「もうだいぶ前の話ですけど… 氷見から来たあのデカい子どうでした? 投げてましたよね?」
と聞いてみました そうすると
「あのころから、ウチのスカウティングは野球さえレベルにあれば、素行不良も成績の悪いのも全部目をつむってとり始めた時期でした 彼はそんなどうしようもない輩と一緒に生活することで流されていったような感じでした ウチではなく、厳しいところに行ってたらプロの世界に行けたと思います また、彼は自分の意思でウチの学校を選んでいない お父さんでしょう 息子に期待しすぎてて、なにかと口をすぐはさんで学校にすっ飛んでくるような人でしたね 最後の夏はお父さんの期待をわざと裏切ろうとしているのかと思うような酷い投球でした 私が言ってはいけないかもしれないが、彼はうちに来て失敗でしたね」
親に作られた野球ロボットが最後の夏は自分の意思をはっきり出して、フツーの人間になったんだろうと思う
チームにとっては迷惑だったかもしれないが、私は彼はこの夏で成長したと思いたい
自分の道をしっかりと歩んでいる立派な大人になっていることを願うばかりだ